*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「じゃあ何?」
「もし万が一、魔陀羅のメンバーに聞かれたらそれこそ冗談で済まされないって意味」
まるで駄々っ子に言い聞かせるみたいな口調。
ますますモヤモヤの白い霧は募る。
「結局、魔陀羅リスペクト?」
「……ッ!」
"竜憧くんには関係ないでしょ!"って、言ってやろうと思った。
でも、急に彼はしょんぼり俯いて、
「千歳さんが………暴走族も魔陀羅も嫌いなのはよく分かったけどさ………………」
何そのいじけた顔…………!?
不意打ちのキュン顔やめてよ!
今イラッとした筈なのに、一瞬でキュンとさせられて悔しい。
そういうのも含め、ほんと竜憧くんと話してると調子が狂う。
「千歳、もう行こうぜ?」
小海が突然、そんな私の肩を抱き寄せた。
でも、それを見た竜憧くんの顔がみるみる変わってゆく。
「……ちょっと待って!?」