*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
*side 東田千歳*
夏の終わり……
竜憧くんの愛車に乗って、どこまでも続く海岸線をふたりで走った。
海はきらきら太陽に光って眩しい。
潮の香りの風が私の髪を浚う。
「千歳ッ……!平気……!?」
バイクのハンドルを切りながら、後ろの私を心配して、さっきから何度も平気?って訊いてくる。
「だいじょーぶ!私ジェットコースターとか大好きだからッ!」
生まれてはじめて乗ったバイクは、ちょっとしたアトラクションみたいだった。
はじめはちょっと怖かったけど、慣れたら風を切る感覚がくせになるほど気持ちいい。