*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
一瞬で怒ったような顔になってる。
「帰るならオレが千歳さんを送るよ」
「は?」
「は?」
私と小海は、コントのように見事に声をハモらせた。
「オレが送る」
「何で?いいよ、大丈夫だって、子供じゃないし。竜憧くんこそ帰りなよ」
「ッ」
いきなりで戸惑ったこともあるけど、きっぱり断った。
よく分からない…………竜憧くんの顔が赤い。
苦しそうな表情。なんでそうなるの?
まさかヤキモチ?
小海にヤキモチ妬いてる?
…………なんてね、そんなわけないよね。
でも、なんでそんなにつぶらな目で私を見るの?
必死に何か伝えようとしているみたいな瞳。
見つめられると胸が苦しくなる。
「…………竜憧くんて…」
何者なの?
思わずそう訊ねようとしたとき、バタバタと人の足音が迫ってきた。