*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「もしかして総長ファン?」
私が困惑する傍ら、男は自慢(らしい)気に、アッシュ色の髪をあきあげた。
「…………ち、違うから!逆ナンじゃないから!」
「ははは。照れてんの?なんか見た感じ一人みたいだけどこんなとこ何しに来たの?」
「……それはァ」
「まさか魔陀羅のメンバーじゃないよね?」
プッと含み笑いしながら男子は訊ねた。もちろんそんなわけないって分かりきってて。
「総長ファンだろ」
そっか……女子がこーゆーとこくると魔陀羅の追っかけって思われるのか。
ま、少しばかり不本意ではあるけど、そういうことにしておく。(相手すんのも面倒くさいもん)
「ほっといて」
じゃあねって言って、そのまま離れようとしたけど、なぜか私についてくる。しかもニヤニヤ笑いながら。
「こんなとこに女子が一人じゃ危ないぜ?」
「……」
「なぁ一緒にいてやろうか?守ってやるよ」
「……」
「怖そうなメンバーごろごろいるじゃん?」
「……」
「……なぁって」