*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「……っかしいな、」「どうしたんだ……」「はやく探し……」「確か…………っだ……」
すれ違うときも話に夢中で、私と小海なんか空気扱いだ。
怖い男の人たちと充分離れてから、横の小海と目を合わせた。
「今のヤッベー……!」
小海も緊張してたみたい。
威圧感、ふつうじゃなかった。
田母神たちが子供に見える。
もしかして、今の魔陀羅の幹部たちなんじゃない?
すると小海もまったく同じことを思ったらしく、
「もしかしてあれ幹部じゃね……!?」
「じゃあの中に総長って人もいたの?」
つい振り返ったけど、もう遠くにしか見えない。どうせ顔を見たところで誰かも分からないけど。
「それより竜憧って今のやつらに追われてんのかな!?だって逃げたじゃん!」
今さらながら小海は興奮している。
「…………」
逃げた…………と言えば逃げた感じだけど…………なんか違うような…………。