*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*



「い、行こうよ竜憧くん‼」

千歳は勢いよく繋いだ手を引っ張った。

「待てよ逃げんじゃねーよ」

それでも男はついてきて、千歳の肩を掴まえた。

「彼氏さん。アンタ知ってる?アンタの彼女そうとう"魔陀羅の総長"が好きみたいだよ?ま、オレは相手にしねーけど」

「………………ッ!?」

「そうそう、こないだは黙ってたけど"オレが魔陀羅のラギ"なんだぜ?」

男は千歳に向かってドヤ顔で言い放った。

言葉をなくすオレたち…………。

さっぱり意味不明だけど、これだけは分かる。この男が千歳をとても困らせてるってことだ。

「千歳に触ンじゃねェよ」

無性に腹が立ってきて、千歳を掴んでいた腕を捻り上げた。

「痛っ…………いってェェえええええ‼」

それでもじゅうぶん手加減したのに、男は一瞬で顔を歪め悲鳴をあげる。
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