*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
隣のクラスの男子ではなさそうだ。
うちの学校の制服はブレザーなのにこの人は学ラン。
長い前髪で顔半分が隠れていて、よく人相もわからない。しかし問題はその色だ。
あんたはお爺さんか?ってくらいのグレイ。
うちは校則にかなりゆるい学校だけど、さすがに一年でこの髪色はないだろう!
「誰!?………………てんこうせい!?」
私はその男子というより、一番仲のいい怜智(さち※通称さっち)を振り返って訊ねた。
休んでる間に転校生来たんなら教えてよ!
っていう目で思いきり睨むと、さっちは可愛い舌をちろっと見せた。
そして私の腕に華奢な腕をからめ、こそっと耳打ち。
「びっくりした?あははっ」
そういう女子力の高い仕草を、ごく自然に出来きちゃうところが、さっちのモテる所以(というか私との差)なのか…………。