*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「こないだの金曜だよ」
「……あ、ああ、あー……」
「あーじゃないよ、なんでいきなり走っ…」
しかし千歳が言い切る前に、はっとした顔の怜智が話を拐った。
「そうだ!こないだの金曜って言ったらさ、千歳小海くんと集会行ったんでしょー?ずるーい、私も誘ってよー」
悔しがる友人に、千歳はつまらなそうに首を振る。
「結局場所がよく分かんなかったから帰ったよ。ただ時間のムダだった」
「えー、そうなの、せっかく…」
「じゃあもう二度と行かないでよ?」
今度はオレが怜智を遮り、つい身をのり出した。
すると千歳はキッと、凛々しい眼光をオレに飛ばし、
「私のことより竜憧くんはどうなの?」
「……え?」
「なんであんなとこにいたの?そっちこそ族の集会見に行く気だったんじゃないの?」
「……それは」