*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「"その人たち"に何かされてないよね?」
それでも一応確認すると、
「うん、まぁ、ただすれ違っただけだから。…………でももしかして竜憧くん、あの人らに追われてた?パシりにされてるとか?」
思いも寄らない言葉が返ってきた。
「……………………へ?」
「だって、急に走っていなくなったから!…………大丈夫なの?」
怜智以外、誰が聞いてるわけでもないのに声をひそめ、すごくまじめな顔でオレを見つめる千歳。
ひときわ心臓が跳ね上がった。
やべー…………なんかすごい勘違いさせてる!
しかもオレの心配までしてくれてる?
ますます胸がどくどく、どくどくと忙しなく騒いで落ちつかない。
けど同時に刺すような痛みも増した。本当のことを隠してる自分に罪悪感。
…………言うべきかな?千歳にだけは。
オレが魔陀羅のリーダーだってことを。
もしそれで嫌われても仕方ない、か………?
だよな、"嘘つきは泥棒のはじまり"って言うし……。