*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
どいつもこいつも、派手に髪染めてピアス開けてタバコ吸って、個性のつもりか知らないけど、結局みんな似たような格好して。
いても仲間とつるんで子供みたいに騒いでケンカしてルール破って、それがカッコいいと思ってんだから笑っちゃう。
あー、しょーもな……ッ。
「あの。ここ私の席なんだ。だからどいてくれる?」
そしてその、しょーもない一人だと思った竜憧くんに、思いきり冷ややかな声をかけた。
すると置物のように黙ってじっと座っていた彼が、ようやく私を見上げ、口を開いた。
『ブスうるせー!黙ってろ!』
とでも言われるんだと構えたものの、
「でも、オレ、ここに座れって先生に言われたんだけど……」
これが実際の声。
派手な髪してるわけりに、ひかえめで優しい口調だ。これには少しばかり面食らった。
「……そんなこと言われても私困る」
「千歳が休んでたからだよ。ま、担任の金子センセー、てきとうだもんね」
さっちが苦笑いで私の肩をポンポン叩く。