*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
そんな私の気持ちを、本当に見透かしているのかいないのか、親友さっちは、さらに声をひそめて囁いた。
「ねぇねぇ千歳…………」
「……………………はァーーァ!?竜憧くんちに行く!?」
「シー!」
つい大声を出しちゃった私を廊下に引っ張っり、さっちは得意顔。
「休み時間にね、金子っち(先生)に住所訊いといた!私仕事はやいでしょー?褒めて褒めて」
「待ってよ何言ってんの!?なんで家行くの!?」
「お見舞いだよ。当然でしょ?風邪で休んでる友だちのお、み、ま、い‼」
「…………」
でもさっきの瞳は、遊園地に行く前の子供みたいに爛々と輝いてる。ただの口実ってばればれ。
「いきなり家行くほど仲良くないよね……!?」
だいたい私たち竜憧くんと友だちか?
「何言ってんの、だからこそチャンスじゃん」
「は?」
「千歳知らないの?いま竜憧くんみんなに狙われてるんだよ?」