*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
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その30分後。電車に揺られながら、いつもと違う風景を眺めていた。
強引なさっちに押しきられ、仕方なく竜憧くんの家に向かうことになった……………………というのは見事な建前で、本当はさっちが言うとおりだった。
竜憧くんが気になる…………。
しかもお母さんがいないって聞いて、ますますその思いが強まった。
ほんのちょっとの可能性だけど、ほんとに熱を出して寝込んでるのかもしれないし。
そんなときお母さんがいなかったら大変だと思う。
ベットで魘される彼を想像したら心配になって、メモに書かれた住所に向かってた。
幸い、住所は私の家からそう遠くない。
最寄り駅の二つ先。