*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*


"好き"…………なんかじゃないよ、絶対に。

絶対に違う。絶対違うから!

いつの間にか自分に言い聞かせていた。

帰ろうかな…………うん帰ろ。

でも足は、縫い付けられたようにその場から動かない。

頭ではここにいても仕方ないって分かってるのに、心が嫌だって言ってる。

帰ってくるの、待ってみる?でも引くよね。いきなり家の前で私が立ってたら…………

ゾッとされちゃうかも!?

…………………………よし、帰ろ。

今度こそ足を動かした。

でも、それと同時に、人の話し声が一階から聞こえてきた。そしてカンカンッと、階段を昇る足音も。


「…………っから違うっつってんだろ……」

「……違わないよ…………ハメハメハだってば」

「カメハメハだって」

「カメハメハは何かの漫画でしょ?ハメハメハが正解だよ」

「何でだよ、カメハメハでいいんだっつの!」

「ハメハメハ!」

「ばーか!ハメハメってエロいだろ、なんだよハメハメって?ハメハメ……って!」

「もぉぉー!」

「カメハメハ大王!ハメハメじゃねーよ」

「変な言い方しないでよ。ハメハメハ大王だってば!」
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