きみに想い届くかな?
「どうぞ」
と、晴香ちゃん。
私が受け取ろうとすると、
お水が入ったコップをスッと上に持ち上げた晴香ちゃん。
なんの前触れもなく
晴香ちゃんの雷は落ちた。
ピチャっピチャっとした水が私の頭から下に滴る。
水も滴るいい女?
かな?
とか、言ってる場合じゃない。
そう
晴香ちゃんは私の頭に
コップに入った水をぶっかけたのだ。
お客さんはカウンターに1人と、カウンターじゃない2人掛けの席に
2人だけの計3人。
お客さんが少なくて良かった、と傍観者みたいな気分の私がいる。
2人掛けの2人の人が、こっちを見てギョッとしている。
何も口を開かない晴香ちゃん。
「ど、どうしたの?」
「自分のしたことをよ〜く思い出してみたら?」
サーっと、自分の血が引いていくのがわかる。
わ、ワタシノシタコト?
それって、大輔くんと私のこと?
「なんのこと?カナ?」