きみに想い届くかな?

〜大輔side〜

ガラッ

今日、俺はいつものように登校した。

いつも通り教室に入ってすぐ、晴香に

「おはよ。今日もねみいな〜」

と、挨拶した。

晴香も相変わらずな感じで朝から元気に

「おっはよーん♪私は目ぱっちりだよ」

「そ、良かったな」

晴香の元気につられて俺もちょっと笑う。

「朝からテンション低いし、冷たい(泣)」

俺の彼女は今日も可愛いなぁ〜と思いながら、

自分の席に向かった。

なんとなくさっきから、桜井さんのほうから

視線感じるなぁ〜と思いながら

桜井さんの隣の席に鞄を置いた。

パッと、

顔を上げて前を見た。

消さないで、と矢印がまず見えた

桜井さんの字だ。

その矢印の先には

「あきらめないから」の文字が。


俺は考える前に動いていた。

桜井さんのほうを見て、

さっきから俺を見ていた桜井さんと目が合う。

何か言おうと口を開けたけど、

俺の口から言葉は出て来なかった。

桜井さんが俺から目を逸らしたからだ、

ガーン…と

効果音が付きそうなほど、俺はちょっと落ち込んだ。

あからさまに落ち込むのはダサい気がしたので、心の中で。














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