きみに想い届くかな?
大輔くんは、これ見たかな?
どう思ってるんだろう。
と、考えていたら
見慣れたカップルが通りすぎた。
大輔くんと晴香ちゃんだ。
心がざわざわする。
「やったー!ねっ!同じクラスだよ♪」
はしゃいでる晴香ちゃんの元気な声。
私には耳障りでしかない。
「やったな。」
クールな感じの声がする。
私の大好きな声だ。
話しかけたい、
今一番話したい人の声だ。
私はつい、話しかけてしまった。
「南井くん、クラス離れたね」
やっちまった、な~
と口に出した後にすぐ後悔した。
「そうだな」
すると、小声で
私だけに聞こえるように
残念なのはわかるけど、朝学校で話しかけてくんな。
と、言った。
私の大好きな人は、今ナンテイッタノ?
今のは私の聞き間違えだよね?
ゆりちゃんにも少し聞こえたのか
ゆりちゃんは顔をしかめている。
私は平然と精一杯の笑顔で
「じゃあ、邪魔者は退散するね~
晴香ちゃんもクラス離れて残念だよ。
お二人さん仲良くね!」
私は心にもないことを言った。
晴香ちゃんと、クラス離れてせいせいしてるし。
二人にはあんまり仲良くしてほしくない。
ねぇ、今私はどんな顔してる?
悲しい顔してないといいな。
作ってる笑顔、どうかバレないで!
~回想終わり~