私の恋が終わるまで
そんな毎日を送って
6月になった
放送の仕事も先輩たちとも
だいぶ緊張しないでお話しできるようになった
そんな月曜日の四時間目終わり
いつもより授業が長引いて終わるのが遅かった
一年生の教室は4階で
放送室は2階
急いで階段を下りる
放送室の扉を開ける
「すいません。遅くなりました」
「あ!絹おそいぞー
はい、これ原稿。
あと2分後には始めるから」
え?二分後?
確認もせずに原稿読むとか無理
でも今から目を全部通してたら間に合わない
どうしよう…
イチかバチか一発勝負する?
でも、噛んだり
読むの止まったらやばいよね
あぁ…どうしよ
渡辺先輩読むの嫌いらしくて読んでくれないし
中島先輩が読んでくれ…るわけないよね
仕方ない、一発勝負するか
そんなことを考えて
落ち込みながら放送を読む場所へ向かおうとしたら
「今日は僕がやるよ
大谷さん今来たばっかで原稿読んでないし」
そう言って中島先輩は手を私のほうに出した
「え…?」
私はなにがなんだかわからなくて
フリーズしていた
「原稿貸して?」
「あ…、お願いします…」
するりと原稿を私の手から取って
歩いて行った