14歳〜白くも黒くもなれるギリギリの年齢〜
新しいクラスにもなじんできて、放課にみんなといつものように話していると、




「この映画めっちゃ見たい〜〜!」とみりあが言い出した。




私もみたかったやつだと思い、



「私も見たい〜〜!!」といつもより大きな声で主張すると、




健ちゃんもノってくれて、






「津田が行くなら俺も見に行ってやっていいよー」



となぜか少し上から目線で言ってきたので、冗談で怒ったようにほほを膨らませてみたりした。






でも、ほんとは、「津田が行くなら」って言ってくれたことがとてつもなく嬉しかったんだ。





それがたまたま言葉の綾だとわかっていても、この時の私はそんな小さなことでまだ喜べるほど、純粋だった。






「じゃあ、今週の日曜にみんなで映画見に行こー!



待ち合わせは〇〇駅のパン屋の横ね!」



と七瀬がいつものようにまとめてくれた。




健ちゃんと一緒にいるようになってから気づいたこと。




健ちゃんはめんどくさいことが嫌いで、自分からはなかなか行動しないし、遊ぶ時も、他の子に任せっきりにしたりする。







結局、由輝くんと朝野は部活でどうしても来れないから、私、みりあ、七瀬、そして、健ちゃんの4人で遊びに行くことに決まった。






今週末楽しみだなーなんて考えていると、ドアから髪がボブくらいの可愛らしい女の子が覗いているのが見えた。












…ーーと思った瞬間、そのボブの女の子が「健三〜〜〜!」と叫びながらこっちに向かってきた。




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