14歳〜白くも黒くもなれるギリギリの年齢〜
私とみりあは「大丈夫だよ〜」と言ったけど、




七瀬は怒ってるふりをして、健ちゃんの困ってる様子をみて笑った。




それにつられて、私とみりあも笑う。



こんなに楽しい時間を失いたくない、そう心から思った。




映画館に入ると、ありえないくらい人で溢れかえっていて、身動きも取れないんじゃないか、というほどだった。




それでも、見る予定の映画のチケット売り場に並ぶと、健ちゃんが何か言ったが、



人が多すぎて、雑音に紛れて、聞き取れなかった。




「え?聞こえない!」と声を張り上げて言うと、



いきなり健ちゃんが私の右腕を引っ張って自分に近づけて、



耳の近くで「こんなに人いたら売り切れないかな?って言ったの!」と言った。




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