14歳〜白くも黒くもなれるギリギリの年齢〜
「もしもーし」

若干かすれたゆっきーの声が聞こえる。


「‥今日、学校で話聞けなくて、ごめんね‥」



私は最初に謝りたかったことを謝った。



「いや!気にしないで!


‥七瀬が連れて行った時、めっちゃニラまれたし‥しょうがないよ」


「ううん、私、ゆっきーが大変なの分かってるのに何もできなくて‥


‥本当にごめん‥」


言葉にして改めて自分の無力さにむなしくなる。


「‥俺さ、‥健とはもう無理だよな‥



七瀬も、朝野も、みりあも、健を敵に回したくないから、

俺に関わりたくないって感じだし‥


‥正直‥もういつメンでいていいのか分かんなくなってる‥」



電話越しでもゆっきーが本気で悩んでることが伝わってきた。


‥ゆっきーはずっと1人で悩んでいたのかな‥



「‥いていいよ!!私は、ゆっきーにいつメンでいてほしい!


‥何も出来ないけど‥でも‥」


「‥ありがとな‥


‥林間までは頑張ってみるけど、それでもダメだったら‥



他のとこ行こうと思ってる」



ゆっきーのお母さんの、早くご飯たべなさい、という声が


聞こえて、そこで電話は切られた。







‥ーー林間で何も起きないといい、ひたすらそう願っていたーー‥
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