14歳〜白くも黒くもなれるギリギリの年齢〜
会話は聞こえないけど、夏海ちゃんは時折しゃくりを上げながら泣いているのが遠くからも確認できるほど、泣いていて、

こういうのを号泣って言うのかな、って思うくらいだった。


そんな夏海ちゃんの頭を健ちゃんは、慰めるように撫でていて、

その頭を撫でる手つきはまるで、何か大切なものにそっと触れるような優しさがあった。


私はそんな2人を見ていられなくて、目を逸らしたのを覚えている。


目を逸らしたあとも鼓動が乱れているのが自分でも分かった。

息をするのが精いっぱいだった。


それなのに、健ちゃんが好きじゃないとかよく言えたなって今なら思う。


< 91 / 108 >

この作品をシェア

pagetop