未来郵便 〜15年越しのラブレター〜
なんかこういうの久しぶりだな。
社会人になって不安ばかりだった。
しかも、葉山までいるし、この先私はどうなるんだろうって思ってたけど。
細井がいてくれると、少し心強い。
こうやって声出して笑うのって凄く大事だなって思った。
「営業一課、西條です」
入社して一ヶ月が経ったある日、内線が鳴って出てみると電話口から綺麗な女性の声が聞こえた。
【秘書課の倉本です。葉山さんいらっしゃいますか?】
「少々お待ちください」
葉山に電話を繋いで、パソコンに視線を戻す。
でも、ふと平野課長の言葉を思い出して、電話中の葉山に目を向けた。
確か、葉山の婚約者は秘書課だったっけ。
課長が相手は専務の愛娘って言ってたような。
専務の名前って……?
っていうか私、自分の会社の役員の名前どころか顔も知らない。
社長の顔は何となーく覚えてるんだけど……
「婚約者だよ」
無い頭で必死に思い出そうとしていると、突然耳元で悪魔の囁きが聞こえた。
「か、課長っ!」
驚いた。
いつの間に後ろにいたのよ……
「追い掛けなくていいの?」
「追い掛ける?」
「葉山のやつ、今婚約者に呼ばれて出てったよ」
平野課長に言われて視線を戻すと、さっきまで電話してたはずの葉山がいなくなってた。
「何で私が追い掛けるんですか?」
必死に冷静を装う。
正直、気になる。
葉山の婚約者がどんな人なのか。
綺麗な声だった。凄く透明感があって。
「顔に気になるって書いてある」
「……書いてません」
「へぇ。無理しちゃって」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる課長。
全てを見透かされてる気がするのは気のせいかな……
十も歳は離れてないと思うけど、これが年の功?
社会人になって不安ばかりだった。
しかも、葉山までいるし、この先私はどうなるんだろうって思ってたけど。
細井がいてくれると、少し心強い。
こうやって声出して笑うのって凄く大事だなって思った。
「営業一課、西條です」
入社して一ヶ月が経ったある日、内線が鳴って出てみると電話口から綺麗な女性の声が聞こえた。
【秘書課の倉本です。葉山さんいらっしゃいますか?】
「少々お待ちください」
葉山に電話を繋いで、パソコンに視線を戻す。
でも、ふと平野課長の言葉を思い出して、電話中の葉山に目を向けた。
確か、葉山の婚約者は秘書課だったっけ。
課長が相手は専務の愛娘って言ってたような。
専務の名前って……?
っていうか私、自分の会社の役員の名前どころか顔も知らない。
社長の顔は何となーく覚えてるんだけど……
「婚約者だよ」
無い頭で必死に思い出そうとしていると、突然耳元で悪魔の囁きが聞こえた。
「か、課長っ!」
驚いた。
いつの間に後ろにいたのよ……
「追い掛けなくていいの?」
「追い掛ける?」
「葉山のやつ、今婚約者に呼ばれて出てったよ」
平野課長に言われて視線を戻すと、さっきまで電話してたはずの葉山がいなくなってた。
「何で私が追い掛けるんですか?」
必死に冷静を装う。
正直、気になる。
葉山の婚約者がどんな人なのか。
綺麗な声だった。凄く透明感があって。
「顔に気になるって書いてある」
「……書いてません」
「へぇ。無理しちゃって」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる課長。
全てを見透かされてる気がするのは気のせいかな……
十も歳は離れてないと思うけど、これが年の功?