未来郵便 〜15年越しのラブレター〜
澄み切った青い空。
ダイアモンドのように白く輝く海。
どこまでも限りなく続く水平線。
全面ガラス張りの部屋から見渡せる景色は、息を飲むほどに壮大で美しく何回見ても飽きることはない。
時が経つのを忘れてしまうような絶景の中で、人生で最も華やかで幸せな日を迎えるのが私の夢だった。
そして、ついに訪れたこの日。
幾千ものスパンコールが散りばめられた真っ白なウェディングドレスに身を包み、まるでパンフレットの中に入ったかのような色鮮やかな景色を目の前にして。
私はさっきお母さんから手渡された一通の手紙を太陽にかざした。
「未来郵便……?」
なんの変哲もない水色の封筒。
切手の下には15年前の日付と“未来郵便”の印鑑が押されている。
そして少しクセのある字で書かれた宛て先。
多分男性が書いたんだと思う。
それも大人ではなく明らかに少年の字だ。
手紙を持つ手が震える。
鼓動が速い。
この字…見たことがある。
それは綿に包むように大切に仕舞っておいた思い出の中で。
私が一番大事にしている記憶の一部。
そっと封筒から便箋を取り出す。
一度深呼吸をして、懐かしい字をゆっくりと目で追った。
「15年後の綾音へ。元気か?俺は今ーー…」
ダイアモンドのように白く輝く海。
どこまでも限りなく続く水平線。
全面ガラス張りの部屋から見渡せる景色は、息を飲むほどに壮大で美しく何回見ても飽きることはない。
時が経つのを忘れてしまうような絶景の中で、人生で最も華やかで幸せな日を迎えるのが私の夢だった。
そして、ついに訪れたこの日。
幾千ものスパンコールが散りばめられた真っ白なウェディングドレスに身を包み、まるでパンフレットの中に入ったかのような色鮮やかな景色を目の前にして。
私はさっきお母さんから手渡された一通の手紙を太陽にかざした。
「未来郵便……?」
なんの変哲もない水色の封筒。
切手の下には15年前の日付と“未来郵便”の印鑑が押されている。
そして少しクセのある字で書かれた宛て先。
多分男性が書いたんだと思う。
それも大人ではなく明らかに少年の字だ。
手紙を持つ手が震える。
鼓動が速い。
この字…見たことがある。
それは綿に包むように大切に仕舞っておいた思い出の中で。
私が一番大事にしている記憶の一部。
そっと封筒から便箋を取り出す。
一度深呼吸をして、懐かしい字をゆっくりと目で追った。
「15年後の綾音へ。元気か?俺は今ーー…」