未来郵便 〜15年越しのラブレター〜
今日が球技大会で良かった。
一日椅子に座ってるより、体を動かしてる方が幾分か気分は晴れる。
授業だったら色んなことを考えて、どんどん気分が落ちて。
放課後には自分を保てなくなっていたかもしれない。
それぐらい葉山の絶対零度の横顔は私にダメージを与えていた。
「おい綾音!さっきの試合、何だよ!」
ドッヂボール一回戦、うちのクラスはギリギリで二年生に勝った。
だけど、私は最悪。
体を動かしてる方が楽だけど、それでも調子は上がらない。
すぐに当てられて外野。
外野でも活躍出来ず、そのまま試合終了。
細井に怒鳴られるのも無理はないぐらいに足を引っ張った。
「ごめん…」
シュンと肩を落として、素直に謝る。
「なんだよ。お前が素直だと気持ち悪いな」
「うん…ごめん」
憎き細井に気持ち悪いって言われても今は怒る気にもなれない。
「今朝のこと気にしてんの?」
「……細井には関係ないじゃん」
今はその事を聞かれたくない。
そっとしておいてほしい。
「関係あんだな、これが」
「は?」
隣りに立つ細井を怪訝な顔で見ると、細井はいつになく真面目な表情で私を見据えていた。
な、何…?なんでそんな目で見てんのよ……
細井が放つ異様な空気に飲み込まれそうになって、顔をパッと逸らした。
「なぁ、今日休みがいてサッカーの人数が足りないから俺が助っ人に出んだけど」
「それが?」
「順調に進めば準決勝で葉山部長のクラスと当たる」
葉山の名前にビクッと肩を揺らす。
「応援来いよ」
「応援…?」
その時、葉山の手紙が頭の中に浮かんだ。
【もちろん観に来てくれんだろ?綾音が応援してくれたら俺、めちゃくちゃ頑張れるんだけど】
そうだ、葉山と約束したんだ。
葉山を応援するって。
私は葉山の専属応援団長なんだ。
でも、今この状況で葉山を応援しに行ったらどう思うかな。
私の顔を見たくないかもしれない。
声も聞きたくないかもしれない。
そんな時に行ったら、また葉山が遠くなってしまうかもしれない。
一日椅子に座ってるより、体を動かしてる方が幾分か気分は晴れる。
授業だったら色んなことを考えて、どんどん気分が落ちて。
放課後には自分を保てなくなっていたかもしれない。
それぐらい葉山の絶対零度の横顔は私にダメージを与えていた。
「おい綾音!さっきの試合、何だよ!」
ドッヂボール一回戦、うちのクラスはギリギリで二年生に勝った。
だけど、私は最悪。
体を動かしてる方が楽だけど、それでも調子は上がらない。
すぐに当てられて外野。
外野でも活躍出来ず、そのまま試合終了。
細井に怒鳴られるのも無理はないぐらいに足を引っ張った。
「ごめん…」
シュンと肩を落として、素直に謝る。
「なんだよ。お前が素直だと気持ち悪いな」
「うん…ごめん」
憎き細井に気持ち悪いって言われても今は怒る気にもなれない。
「今朝のこと気にしてんの?」
「……細井には関係ないじゃん」
今はその事を聞かれたくない。
そっとしておいてほしい。
「関係あんだな、これが」
「は?」
隣りに立つ細井を怪訝な顔で見ると、細井はいつになく真面目な表情で私を見据えていた。
な、何…?なんでそんな目で見てんのよ……
細井が放つ異様な空気に飲み込まれそうになって、顔をパッと逸らした。
「なぁ、今日休みがいてサッカーの人数が足りないから俺が助っ人に出んだけど」
「それが?」
「順調に進めば準決勝で葉山部長のクラスと当たる」
葉山の名前にビクッと肩を揺らす。
「応援来いよ」
「応援…?」
その時、葉山の手紙が頭の中に浮かんだ。
【もちろん観に来てくれんだろ?綾音が応援してくれたら俺、めちゃくちゃ頑張れるんだけど】
そうだ、葉山と約束したんだ。
葉山を応援するって。
私は葉山の専属応援団長なんだ。
でも、今この状況で葉山を応援しに行ったらどう思うかな。
私の顔を見たくないかもしれない。
声も聞きたくないかもしれない。
そんな時に行ったら、また葉山が遠くなってしまうかもしれない。