狼少年、拾いました。
 「さっきのアレ、何だったの?この人と何か関係あるのかな……?」

 「横になったらどうだ。」

 スティーヌは質問には答えない。

 代わりに寝具とは反対側の窓際に予備の枕を置いた。

 ……妙に甲斐甲斐しい。

 いつもはここまで親切ではない。

 違和感に近いものが心の中に顔を出したとき、ふと先程よりも体が重くなってきたのを感じた。

 「でも誰か来るかもしれないし……。彼が見つかったらまずいわ。」

 言葉を話すのもなんだか苦労する。

 「大丈夫だ。起こしてやる__。」

 スティーヌの言葉を最後に、ミェルナはそのまま床へ倒れこんだ。

 (薬が効いたか。)
< 26 / 114 >

この作品をシェア

pagetop