狼少年、拾いました。
初めは遠慮したレスクだったが結局ミェルナに説得され、今は厚めの柔らかい布二枚と枕という即席の寝具に横たわっている。
スティーヌはいい顔をしなかったが、ミェルナは見て見ぬふりをした。
「血の匂いっつっても、ほんのちょっとだからな?多分もう拭き取られたりしてるんじゃね。」
言い出しておきながら安心させるように取り繕うレスク。
「そうね……。」
だからと言って、住んでいる家の存在すら知らなかった地下室から、例えわずかとはいえ血の匂いがするというのは心地のいいものではない。
「あとさ。」
レスクは今までとは打って変わって歯切れの悪い口調になった。
「なに?」
改めて座り直したレスクに、こっそりほんの少し身構える。
「俺、礼になるようなもん、持ってねぇんだ。だから__。」
「いいのよ、それくらい。」
無意識にミェルナはスティーヌが反応するより早く答えていた。
それを見てレスクの瞳がぬるく輝く。
「あんた優しいんだな。」
レスクはスティーヌが割り込む隙をあえて作らずそれに答えるようにミェルナの手を包んだ。
熱々の鉄板を押し当てられたように手を引っ込めるミェルナ。
スティーヌはいい顔をしなかったが、ミェルナは見て見ぬふりをした。
「血の匂いっつっても、ほんのちょっとだからな?多分もう拭き取られたりしてるんじゃね。」
言い出しておきながら安心させるように取り繕うレスク。
「そうね……。」
だからと言って、住んでいる家の存在すら知らなかった地下室から、例えわずかとはいえ血の匂いがするというのは心地のいいものではない。
「あとさ。」
レスクは今までとは打って変わって歯切れの悪い口調になった。
「なに?」
改めて座り直したレスクに、こっそりほんの少し身構える。
「俺、礼になるようなもん、持ってねぇんだ。だから__。」
「いいのよ、それくらい。」
無意識にミェルナはスティーヌが反応するより早く答えていた。
それを見てレスクの瞳がぬるく輝く。
「あんた優しいんだな。」
レスクはスティーヌが割り込む隙をあえて作らずそれに答えるようにミェルナの手を包んだ。
熱々の鉄板を押し当てられたように手を引っ込めるミェルナ。