次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「晶子には嘘をつきたくないって思いが強くて、正直に答えすぎたよ。元々は、って聞いてきたから。でもそうだな、全部俺の自業自得だ。
たしかに最初にじいさんから話を聞かされたときは、妹の方が話題にもなるし、社長になるならそっちの方がいいと思ったんだ。だから、晶子には随分と失礼なことを、ひどいことを言った。後悔してるよ……本当にごめん」
そう言って謝る直人の方が傷ついているみたいだ。私はかすかに頭を振る。すると、直人はもう一度、気持ちを込めるように握っていた手に力を入れてくれた。
「いつの間にか、条件とか関係なく、俺の方が晶子に本当に好きになってもらいたくて必死だった。晶子が三日月今日子の孫だから、とか関係ない。晶子だから結婚したいって思ったんだ」
どこか切羽詰ったような直人の声や表情。余裕もなくて必死で。こんな彼を見るのは、はじめてだ。それを受けて、心の奥から湧き出てくるこの気持ちがなんなのか分からない。
切なくて、締めつけられるように苦しくて、こんな気持ちになるのは私もはじめてだ。黙ったまま、必死に目を見開いて直人を見つめたままでいると、痺れを切らしたのか、直人は顔を近づけてきて額同士をくっつけた。
「晶子は? 晶子の本当の気持ちを聞かせて欲しい」
やるせなさげに尋ねられ、私は一気に色々な気持ちが溢れ返りそうになる。私の気持ちは、私が望むことは――
たしかに最初にじいさんから話を聞かされたときは、妹の方が話題にもなるし、社長になるならそっちの方がいいと思ったんだ。だから、晶子には随分と失礼なことを、ひどいことを言った。後悔してるよ……本当にごめん」
そう言って謝る直人の方が傷ついているみたいだ。私はかすかに頭を振る。すると、直人はもう一度、気持ちを込めるように握っていた手に力を入れてくれた。
「いつの間にか、条件とか関係なく、俺の方が晶子に本当に好きになってもらいたくて必死だった。晶子が三日月今日子の孫だから、とか関係ない。晶子だから結婚したいって思ったんだ」
どこか切羽詰ったような直人の声や表情。余裕もなくて必死で。こんな彼を見るのは、はじめてだ。それを受けて、心の奥から湧き出てくるこの気持ちがなんなのか分からない。
切なくて、締めつけられるように苦しくて、こんな気持ちになるのは私もはじめてだ。黙ったまま、必死に目を見開いて直人を見つめたままでいると、痺れを切らしたのか、直人は顔を近づけてきて額同士をくっつけた。
「晶子は? 晶子の本当の気持ちを聞かせて欲しい」
やるせなさげに尋ねられ、私は一気に色々な気持ちが溢れ返りそうになる。私の気持ちは、私が望むことは――