次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「おばあちゃん。私ね、この人と結婚するよ。心から底から好きになれる人をようやく見つけたの。直人は、見た目も、ほら、このとおりかっこよくて、すごく仕事もできる人で、社長の跡もちゃんと継げそうだよ。すれ違いもあったけど、ご両親にも社長にも、たくさんの人に愛されている人だから」
いきなり話し始めた私に直人は目を丸くさせたが、口を挟む真似はしてこなかった。なので私はそのまま続ける。
「でもね、こう見えて彼って、実はすごく涙もろいの。この前なんて子ども向けの映画、開始三十分でうるうるしてるし。しかも、変に真面目なのか、天然なのか訳が分からないときもあって。なかなか頑固で融通が利かないところもあるし。意地っ張りで、子どもみたいなところもたくさんあって」
「晶子」
さすがに、やめて欲しいらしく、私を呼ぶ直人の声には怒気が含まれている。そこで私は、一度言葉を区切った。
「けれど、そういうところも全部ひっくるめて、好きなの」
恥ずかしくて、直人の顔は見られないままだったが、なんとか言葉にすることができた。すると、隣で彼が軽くため息をついたのを感じる。
「晶子こそ、そういうのは本人に直接言うのが先じゃないのか?」
ゆっくりと顔を上げて、直人を見ると、その顔はなんだか複雑そうで、でも嬉しそうな気もした。
いきなり話し始めた私に直人は目を丸くさせたが、口を挟む真似はしてこなかった。なので私はそのまま続ける。
「でもね、こう見えて彼って、実はすごく涙もろいの。この前なんて子ども向けの映画、開始三十分でうるうるしてるし。しかも、変に真面目なのか、天然なのか訳が分からないときもあって。なかなか頑固で融通が利かないところもあるし。意地っ張りで、子どもみたいなところもたくさんあって」
「晶子」
さすがに、やめて欲しいらしく、私を呼ぶ直人の声には怒気が含まれている。そこで私は、一度言葉を区切った。
「けれど、そういうところも全部ひっくるめて、好きなの」
恥ずかしくて、直人の顔は見られないままだったが、なんとか言葉にすることができた。すると、隣で彼が軽くため息をついたのを感じる。
「晶子こそ、そういうのは本人に直接言うのが先じゃないのか?」
ゆっくりと顔を上げて、直人を見ると、その顔はなんだか複雑そうで、でも嬉しそうな気もした。