次期社長と甘キュン!?お試し結婚
ああ、そうか。彼女はそういう見方をするのか。外見とか、仕事ができるとか、そういうことではないのだ。結果しか評価されないのが当たり前で、社長の孫だから、っていつの間にか、努力して得た成果もそれが、全部当然のものになっていて。
でも、彼女はちゃんと見ていてくれる。そういうことを大事にする人間なんだ。体調が悪いからか、目の奥がじんわりと熱くなる。
俯いたままの俺の頭を撫でてくれる彼女の手は意外と心地いい。こんなことされるのはいつぶりだろうか。こんなふうに甘やかされるのは。
けれど、彼女が自分以外の人間に対しても、同じようにしているのかと思うと、なんだか複雑だった。この前のこともあって、少しだけ迷ったが、気になったこと口にする。
すると彼女は真面目に事情を説明してくれて、とんでもない発言をしてくれた。
「だから、直人だけなんだけど。こんなことするのも、キスするのも」
そう言われて、目を見開く。ただ純粋に嬉しくて、安心感に満たされていく。そして、ここにきて俺はようやく自分の気持ちを自覚した。
好きになってほしい、と願っていたのは、彼女の条件を叶えるためだと思っていた。結婚するために必要なもので、結婚さえしてくれたらいい、とずっと思っていたのに、いつの間にか、どちらが本命なのか分からなくなっている。
いや、正確には、ようやく分かったのだ。今の自分がどちらを望んでいるのか。結婚してほしいのか、好きになってほしいのか。
でも、彼女はちゃんと見ていてくれる。そういうことを大事にする人間なんだ。体調が悪いからか、目の奥がじんわりと熱くなる。
俯いたままの俺の頭を撫でてくれる彼女の手は意外と心地いい。こんなことされるのはいつぶりだろうか。こんなふうに甘やかされるのは。
けれど、彼女が自分以外の人間に対しても、同じようにしているのかと思うと、なんだか複雑だった。この前のこともあって、少しだけ迷ったが、気になったこと口にする。
すると彼女は真面目に事情を説明してくれて、とんでもない発言をしてくれた。
「だから、直人だけなんだけど。こんなことするのも、キスするのも」
そう言われて、目を見開く。ただ純粋に嬉しくて、安心感に満たされていく。そして、ここにきて俺はようやく自分の気持ちを自覚した。
好きになってほしい、と願っていたのは、彼女の条件を叶えるためだと思っていた。結婚するために必要なもので、結婚さえしてくれたらいい、とずっと思っていたのに、いつの間にか、どちらが本命なのか分からなくなっている。
いや、正確には、ようやく分かったのだ。今の自分がどちらを望んでいるのか。結婚してほしいのか、好きになってほしいのか。