次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「なら、俺が持っていてかまわないのか? いつ出しに行くか分からないぞ」
「私が持っておきます!」
前のめりになって慌てて答える。けれど、そんな風に言ってくれるということは、
「私の出した条件、ちゃんと聞いてくれる、の?」
おそるおそる尋ねると、ソファに座っていた彼は立ち上がった。それに合わせて見下ろしていた目線をゆっくり上に動かす。
「正直、とてつもなく面倒だと思っている。でも、それで君が結婚してくれるなら付き合うさ」
肩をすくめながら、言葉通り面倒くさそうに彼は呟いた。
「ありが、とう」
私がお礼を言うことでもない気がするのだが、自然と言葉が口に出た。自分でも随分と無茶な条件を出したと思うし、失礼なことを言ったので、まさか彼がこんな形で受け入れてくれるとは思わなかった。
それにしても、そこまでして祖父のために三日月今日子の孫と結婚しなくては、と思っているのはある意味すごい。
でも、もしもおばあちゃんが生きていて、社長と同じように、孫同士結婚して欲しい、と懇願してきたら私はどうしただろうか。そんな想像をすると、彼の態度をあながち否定する気にもなれない。
「で、どうする?」
思考を巡らせているところで声をかけられ、私は発言の意図が掴めなかった。
「なにが?」
なので、素直に聞き返す。夕飯にはまだ早いと思うんだけど。
すると彼は一歩こちらに近づき、あっさりと私のパーソナルスペースを侵してきた。そのことに居心地の悪さを感じる間もなく、彼の腕が腰に回されて抱き寄せられる。
さすがに抗議の声をあげようと、顔を上げると素早く唇が掠め取られた。
「私が持っておきます!」
前のめりになって慌てて答える。けれど、そんな風に言ってくれるということは、
「私の出した条件、ちゃんと聞いてくれる、の?」
おそるおそる尋ねると、ソファに座っていた彼は立ち上がった。それに合わせて見下ろしていた目線をゆっくり上に動かす。
「正直、とてつもなく面倒だと思っている。でも、それで君が結婚してくれるなら付き合うさ」
肩をすくめながら、言葉通り面倒くさそうに彼は呟いた。
「ありが、とう」
私がお礼を言うことでもない気がするのだが、自然と言葉が口に出た。自分でも随分と無茶な条件を出したと思うし、失礼なことを言ったので、まさか彼がこんな形で受け入れてくれるとは思わなかった。
それにしても、そこまでして祖父のために三日月今日子の孫と結婚しなくては、と思っているのはある意味すごい。
でも、もしもおばあちゃんが生きていて、社長と同じように、孫同士結婚して欲しい、と懇願してきたら私はどうしただろうか。そんな想像をすると、彼の態度をあながち否定する気にもなれない。
「で、どうする?」
思考を巡らせているところで声をかけられ、私は発言の意図が掴めなかった。
「なにが?」
なので、素直に聞き返す。夕飯にはまだ早いと思うんだけど。
すると彼は一歩こちらに近づき、あっさりと私のパーソナルスペースを侵してきた。そのことに居心地の悪さを感じる間もなく、彼の腕が腰に回されて抱き寄せられる。
さすがに抗議の声をあげようと、顔を上げると素早く唇が掠め取られた。