次期社長と甘キュン!?お試し結婚
三島さんを見送ってから、迎えに来た栗林さんの車に来たときと同じように後部座席に乗り込む。緊張と場慣れしていないせいで、どっと疲れが押し寄せてきた。
座席のシートに体を沈めて彼の方に視線を寄越す。彼の横顔は相変わらず整っていて、夜だからか、その輪郭が余計に浮きだって見えた。
大きすぎない切れ長の瞳、通った鼻筋、薄い唇、視線をゆっくりと走らせていく。もう少し見ていたい気持ちになったが、今はそれよりも、
「それにしても……観たことあったの?」
「いや、ない」
なんの躊躇いもなく、きっぱりと答えた彼に、どこかまどろんでいた意識がはっきりした。もちろん、あの映画のことだ。
しかし、あの後、映画のエピソードについて三島さんと彼は多少やりとりしていたのは、どういうことなんだろうか。そんな疑問に答えるように彼は続ける。
「映画は見たことはないが、VHSの誕生話については知ってる」
そういうことか、私は肩を落とした。映画が好きではない、ときっぱり言っていたのだから納得だ。
「半分実話で助かったね」
苦笑しながら告げると、彼が少し肩の力を抜いたのが分かった。
座席のシートに体を沈めて彼の方に視線を寄越す。彼の横顔は相変わらず整っていて、夜だからか、その輪郭が余計に浮きだって見えた。
大きすぎない切れ長の瞳、通った鼻筋、薄い唇、視線をゆっくりと走らせていく。もう少し見ていたい気持ちになったが、今はそれよりも、
「それにしても……観たことあったの?」
「いや、ない」
なんの躊躇いもなく、きっぱりと答えた彼に、どこかまどろんでいた意識がはっきりした。もちろん、あの映画のことだ。
しかし、あの後、映画のエピソードについて三島さんと彼は多少やりとりしていたのは、どういうことなんだろうか。そんな疑問に答えるように彼は続ける。
「映画は見たことはないが、VHSの誕生話については知ってる」
そういうことか、私は肩を落とした。映画が好きではない、ときっぱり言っていたのだから納得だ。
「半分実話で助かったね」
苦笑しながら告げると、彼が少し肩の力を抜いたのが分かった。