LOVE物語3
ーside遥香ー



朝陽先生と尊が、中々戻ってこないことに私は前から予想していたことを、このことで改めて確信した。





やっぱり、私は危ない状態にいるのかもしれない。





不整脈と、発作が同時に起こると命取りになる。





授業で前に、講師の先生から聞いたことをずっと覚えていた。







「2人とも戻ってくるの遅いね。」







近藤さんは、私が不安にならないように笑顔でそう言ってくれたけど、私は不安でしかなかった。







「はるちゃん?苦しい?」






ずっと俯いている私に近藤さんは声をかけた。







違う。苦しいんじゃない。





たまらなく不安で、死への恐怖が私には耐え難い恐怖でしかなかった。






「大丈夫。」





近藤さんには迷惑をかけたくないから、そう言うことが精一杯だった。







「大丈夫って顔してないけど…。


何か不安なことがあったら教えて。」








「不整脈って、発作と同時に起きたら死んじゃうんですか?」







「えっ?」






「近藤さんは、看護師としてそういう子を見たことありますか?」







声にならない声で、私は近藤さんに聞いてみた。






すると、今度さんは優しく微笑んでから近くにあった椅子に腰を下ろした。






「そうね…。


私も、看護師として10年目になったけどそういう子は見てきたわ。



でも、同じ症状で悪い状態だった子が、ちゃんと治療して今でも元気に社会で活躍している。



症例なんて、人によって様々でこれといった決まりはないの。



生命力が強ければ、いくらでも治せる。



逃げないことが大事なの。」






「近藤さん…。」





「だから、はるちゃんは今はちゃんと治療して、発作があまり起きないように安静にしていることが、今遥香ちゃんのできる最善の治療じゃないのかな?」





そうだ。




思い出した。





生きる力は、その人がもつ力だ。





医学なんかじゃない。





医学は、ほんの少し生命力を助ける働きを持つもの。





前に、先生が言ってたっけ。
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