コミュ障なんです!
「梶くんはね、今のシステムを作った時の担当者のひとりなんだ。タイミングよく日本に戻ってきたから、入ってもらったんだよ」
トレンドハウスは衣料品の仲買・販売の会社で、輸入品も取り扱っている。
もともとな仲買が中心で、顧客は小売店だったらしいのだけど、それをWebを使って個人向けに展開していこうということでシステムを開発したのが五年前くらいかな。その時は三浦さんがリーダーをしていて、新人だった私が少し関わったことがあるくらい。
今回、サーバーマシンを新調するついでに、斉藤さんが機能の拡張を呼び掛けているのは、個人のデザイナーが商品を登録するためのシステム。
『今は個性の時代だからね。同じものを数多く扱うのとは別に、数は少なくともたくさんのデザイナーを確保して商品を増やすのもいいかと思ってね。とりあえず、相手に登録させ、気に入ったものをこちらで選別し、品質などのチェックをしてから契約という形で行こうかと思ってる。今回追加でお願いしたいのはその登録システムだね』
既存の販売・仕入れルートとは別の方向性を模索する手段としてのWebシステムというわけだ。
これはメールでやり取りしている間に聞いたことで、システム的には特に難しくはない。
普通の投稿システムを拡張したようなものだ。ウィルスチェックの機能とかを組み込んでも、そこまで難しくはないだろうと考えている。