コミュ障なんです!
*
打ち合わせは一時間かからないくらいで無事に終了した。
「でしたら、これで仕様設計書を作成します。追ってスケジュールのほうもお送りしますね」
「はい。よろしくお願いします」
斉藤さんと梶さんに見送られて、私はトレンドハウスを出る。
話し合っているうちに、頭の中ではフローチャート図はできた。
戻って二時間も集中すれば資料はできるだろう。プログラムの組み立てもぼんやり浮かんできている。
新システムへの移行までには二ヵ月くらいもらえそうだし、開発一カ月半、テスト、実機テストでもう半月ってところだろうな。
早く形にしたいな。
人と話しているよりも、頭の中で構造を組み立てていくほうが楽しいもん。
自分の世界の中に入り込みたい。この設計図を、正しく作り上げていく過程が私は大好きだ。
「あれ、和賀さんじゃん」
聞き覚えのある声に、背筋がざわりとした。
外で会社の人と会うとか面倒くさい!
気づかないふりをしたいけれど、名指しで呼ばれて振り向かないわけにもいかない。
「た、田中さん」
振り向くと、そこにいたのは予想通りに田中さん。
「会社戻るの? 俺もなんだよね。ちょうど昼だし、食ってから帰らない?」
彼はご機嫌だ。私が断ることなど想定していないように隣を歩き始める。
「田中さんも外回りですか?」
「俺も客先周りの途中。和賀さんは? そっちから来たとこ見るとトレンドハウス?」
「知ってるんですか?」
「永屋の担当だからね。一応ほらライバルだし?」
打ち合わせは一時間かからないくらいで無事に終了した。
「でしたら、これで仕様設計書を作成します。追ってスケジュールのほうもお送りしますね」
「はい。よろしくお願いします」
斉藤さんと梶さんに見送られて、私はトレンドハウスを出る。
話し合っているうちに、頭の中ではフローチャート図はできた。
戻って二時間も集中すれば資料はできるだろう。プログラムの組み立てもぼんやり浮かんできている。
新システムへの移行までには二ヵ月くらいもらえそうだし、開発一カ月半、テスト、実機テストでもう半月ってところだろうな。
早く形にしたいな。
人と話しているよりも、頭の中で構造を組み立てていくほうが楽しいもん。
自分の世界の中に入り込みたい。この設計図を、正しく作り上げていく過程が私は大好きだ。
「あれ、和賀さんじゃん」
聞き覚えのある声に、背筋がざわりとした。
外で会社の人と会うとか面倒くさい!
気づかないふりをしたいけれど、名指しで呼ばれて振り向かないわけにもいかない。
「た、田中さん」
振り向くと、そこにいたのは予想通りに田中さん。
「会社戻るの? 俺もなんだよね。ちょうど昼だし、食ってから帰らない?」
彼はご機嫌だ。私が断ることなど想定していないように隣を歩き始める。
「田中さんも外回りですか?」
「俺も客先周りの途中。和賀さんは? そっちから来たとこ見るとトレンドハウス?」
「知ってるんですか?」
「永屋の担当だからね。一応ほらライバルだし?」