コミュ障なんです!


それから、一週間。
神谷さんと川西さんから進捗連絡がないので、スケジュールの見直しができない。

相手がしてこないのならば、リーダーとしては自分から聞かなきゃいけない。
今まで話しかけるのも怖くてなんとなく逃げていたけど、今日こそはと勇気を出した。


「神谷さん、進捗どうですか? どこか困っているところあります?」


神谷さんはキーボードをたたいていた手を止め、怪訝そうに私を見上げる。


「いえ? ちょっと遅れているけれど最終的には終わらせるから」

「そうですか」


それ以上、どうやって細かく聞いたらいいのかわからない。
つくづく、仕事をしているとコミュニケーション能力ってのは必要になるんだなって思う。


「えっと、川西さんは、できたところまで見せてもらえますか?」

「……はい、どうぞ」


川西さんのは一からの作業なので、部品化作業の神谷さんよりは相談する内容も多いし、こまめにチェックしているつもりだ。

プリントアウトしたものをもらい、上から目を通していると単純なスペルミスが見つかったりする。
使用テストで拾えるものなんだけど、見つけてしまったからにはと蛍光ペンでチェックして、さらに今後のプログラムの組み立て方みたいなのを書いて渡すと、大きくため息をつかれた。


「はーい。直します」


ため息をつきながらそういい、ぼそっと神谷さんに向かって小声でいうのが耳に入ってくる。


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