コミュ障なんです!
*
人を怒らせるとろくなことにならない。だから最初っから関わりあいたくないのに。
「……ですので、既存システムはこんな感じになるんですけど。こ、これを部品化することでですね。機能を追加することが容易になります」
取引先の担当者はスーツ姿の五十代。名前は斎藤さん。白髪まじりの髪はきちんと整えられていて、小綺麗な印象だ。落ち着いて理知的な瞳が、私の手元を覗き込む。
こ、声が震えてきます。
永屋さんは、あちらの営業さんにはめちゃくちゃ笑顔なのに、私には片腕をつついて説明をせっつくばかり。
やっぱり怒ってるんですよね。
なまじっか表面的には笑顔だから余計怖い。
仕方なく、私はテンパり状態ながらも何とか説明をしている。
担当者のおじさまは、大きく頷く。
「ふうん。なるほどねぇ。詳しいことはよく分からないけど、便利にはなるって感じだね」
「そうですね。今は変化の早い時代ですし、利用者も敏感です。ただ既存システムを移すよりも、部品化しておいたほうが今後細かに仕様変更を加えたいときにも、柔軟に対応できるのでは、と思います」
私の言葉をうまく拾って、説明していく永屋さん。すごいな。さっきまで何も知らなさそうだったのに、もう自分の言葉にして話してるや。
「そうだなぁ」
いい感触そうなのに、お客様はなかなかOKとは言わない。
ああなんか、もうダメなんじゃない?
大人しく機械の交換だけにすればいいんじゃないかしら。
人を怒らせるとろくなことにならない。だから最初っから関わりあいたくないのに。
「……ですので、既存システムはこんな感じになるんですけど。こ、これを部品化することでですね。機能を追加することが容易になります」
取引先の担当者はスーツ姿の五十代。名前は斎藤さん。白髪まじりの髪はきちんと整えられていて、小綺麗な印象だ。落ち着いて理知的な瞳が、私の手元を覗き込む。
こ、声が震えてきます。
永屋さんは、あちらの営業さんにはめちゃくちゃ笑顔なのに、私には片腕をつついて説明をせっつくばかり。
やっぱり怒ってるんですよね。
なまじっか表面的には笑顔だから余計怖い。
仕方なく、私はテンパり状態ながらも何とか説明をしている。
担当者のおじさまは、大きく頷く。
「ふうん。なるほどねぇ。詳しいことはよく分からないけど、便利にはなるって感じだね」
「そうですね。今は変化の早い時代ですし、利用者も敏感です。ただ既存システムを移すよりも、部品化しておいたほうが今後細かに仕様変更を加えたいときにも、柔軟に対応できるのでは、と思います」
私の言葉をうまく拾って、説明していく永屋さん。すごいな。さっきまで何も知らなさそうだったのに、もう自分の言葉にして話してるや。
「そうだなぁ」
いい感触そうなのに、お客様はなかなかOKとは言わない。
ああなんか、もうダメなんじゃない?
大人しく機械の交換だけにすればいいんじゃないかしら。