コミュ障なんです!

目が覚めたのは夜中の三時。
早すぎだわ。もう一回寝たい。
と言いつつ、いい眠りだったようで目はすっかり覚めてしまった。


真っ暗な部屋の中、起き上がって、暗闇に慣れてきた目であたりを見回す。

衝立の向こうから寝息が聞こえるところをみると、前回来た時と一緒で、私にベッドを貸してくれ、永屋さんはあそこで寝ているようだ。


この状況をどう考えればいいんだろう。
経験ないからわからないんだけど、告白されて告白したんだから私って、もう永屋さんの彼女ってことでいいのかなぁ。

でもはっきり「付き合おう」って言われなきゃ、どう始めていいのかもわからないんだけど。

そして付き合うってどういうことをすればいいのだろう。
経験がないって辛いなぁ。かといって今更聞くのも恥ずかしい年齢になっているし。
恋愛小説だってたまに読むけど、日常の過ごし方までは書いてない。今後についてのプランを誰か教えてください。


そもそも永屋さんの“好き”はどの程度のものなのか。
私は、付き合う人とは結婚するつもりでいたけど、永屋さんにそのつもりがあるのかわからないし。

かといって、それを聞くのも重たい。
重たい処女とか最悪……な気がする。

ああ、考えが纏まらない。ノートに書いて頭の中整理したいなぁ。
頭の中だけで考えると、どんどん後ろ向きになっていく。

そもそも、永屋さんはどうして私を好きだなんて思ったんだろう。
世の中に素敵な女の人いっぱいいるじゃん。まして永屋さんなんてモテるんだしさ。
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