コミュ障なんです!
*
スマホのアラームが鳴る。はいはい、といつもセットしているホルダーを探そうとして手が空滑りした。
目を開けて、思い出す。そうだここは私のアパートではなかった。
鳴っているのはカバンの中か、と布団から出ようとしても硬い腕が邪魔をする。ん? 腕?
「ぎゃっ」
そして気づく。私! 永屋さんに抱きしめられてる。
「は、離して」
「んー、おはよう。もう朝?」
「そうですよっ。今日も仕事ですよ。私一度帰らないと服が」
「あー、いいじゃん一日くらい。男がいるアピールになってちょうどいい」
「よくないです。帰ります!」
時計を見ると六時。家まで戻ってではギリギリだ。
「んー。じゃあ今度は着替えも持っておいでよ。つか、置いとけばいいよ。この部屋広いし」
「え? あ、はい」
確かに、一人暮らしの割には広い部屋だよな。
バス・トイレも別だし、ワンルームは十畳。小さいながらもキッチンも分かれてるもん。
と考えているうちに五分が経過している。
「とにかく、私は帰りますから」
「気を付けて。また会社でね」
上着を着こんだ私に、彼は自分の帽子をかぶせた。
「寝癖ついてるから。これで隠していきなよ」
「は、……はいっ」
顔に熱が集まってくるのがわかる。
恥ずかしい。恥ずかしすぎるよ。
思えば無防備すぎる姿を見せてる。
世の中の恋人同士は、こんなことが平気でできるのー?
スマホのアラームが鳴る。はいはい、といつもセットしているホルダーを探そうとして手が空滑りした。
目を開けて、思い出す。そうだここは私のアパートではなかった。
鳴っているのはカバンの中か、と布団から出ようとしても硬い腕が邪魔をする。ん? 腕?
「ぎゃっ」
そして気づく。私! 永屋さんに抱きしめられてる。
「は、離して」
「んー、おはよう。もう朝?」
「そうですよっ。今日も仕事ですよ。私一度帰らないと服が」
「あー、いいじゃん一日くらい。男がいるアピールになってちょうどいい」
「よくないです。帰ります!」
時計を見ると六時。家まで戻ってではギリギリだ。
「んー。じゃあ今度は着替えも持っておいでよ。つか、置いとけばいいよ。この部屋広いし」
「え? あ、はい」
確かに、一人暮らしの割には広い部屋だよな。
バス・トイレも別だし、ワンルームは十畳。小さいながらもキッチンも分かれてるもん。
と考えているうちに五分が経過している。
「とにかく、私は帰りますから」
「気を付けて。また会社でね」
上着を着こんだ私に、彼は自分の帽子をかぶせた。
「寝癖ついてるから。これで隠していきなよ」
「は、……はいっ」
顔に熱が集まってくるのがわかる。
恥ずかしい。恥ずかしすぎるよ。
思えば無防備すぎる姿を見せてる。
世の中の恋人同士は、こんなことが平気でできるのー?