コミュ障なんです!
*
客先で説明するために書いた図を清書し終えたのはそれから一時間後。
なぜかずっと会議スペースを陣取って仕事をしている永屋さんに見せると、満足気に頷いた。
「いいね。早いね、和賀さん」
「はあ、まあ」
それくらいしか取柄がありませんから。
「それにわかりやすい。君は確かに、口で話すより紙に起こす方が得意なんだね」
「はあ、まあ」
そもそも落ち着いて考えられますからね。
人を前にするとテンパるんですよ。
「斉藤さんはね、自分で納得しないとOKを出さない人なんだ。でも、決してそれは自分目線じゃなくて、“誰目線でこんな風に必要か”ってところが納得出来ればいい。和賀さんの話は“ユーザー目線でなら”ってところがはっきりしていたから、斉藤さんも食いついてくれたんだと思うんだよね」
「はぁ」
すごいな。お客さんのことそんなに分かるもの?
打ち合わせの席でしか見せない顔を見て、そこまで理解できるのっておかしくない?
「長い付き合いだから。新人の頃からあの会社の担当してるんだよ」
永屋さんは、私の疑問の視線を察知したかのように言う。
この人、千里眼でも持ってるんじゃないですかねって思っちゃう。
客先で説明するために書いた図を清書し終えたのはそれから一時間後。
なぜかずっと会議スペースを陣取って仕事をしている永屋さんに見せると、満足気に頷いた。
「いいね。早いね、和賀さん」
「はあ、まあ」
それくらいしか取柄がありませんから。
「それにわかりやすい。君は確かに、口で話すより紙に起こす方が得意なんだね」
「はあ、まあ」
そもそも落ち着いて考えられますからね。
人を前にするとテンパるんですよ。
「斉藤さんはね、自分で納得しないとOKを出さない人なんだ。でも、決してそれは自分目線じゃなくて、“誰目線でこんな風に必要か”ってところが納得出来ればいい。和賀さんの話は“ユーザー目線でなら”ってところがはっきりしていたから、斉藤さんも食いついてくれたんだと思うんだよね」
「はぁ」
すごいな。お客さんのことそんなに分かるもの?
打ち合わせの席でしか見せない顔を見て、そこまで理解できるのっておかしくない?
「長い付き合いだから。新人の頃からあの会社の担当してるんだよ」
永屋さんは、私の疑問の視線を察知したかのように言う。
この人、千里眼でも持ってるんじゃないですかねって思っちゃう。