コミュ障なんです!
*
……気まずいったらないですよ。
永屋さんに連れられて行った飲み屋。
その看板を見たときに、どこかで聞いた名前だなとは思ったの。
入って奥の小上がり席に案内されて、私は来たことを激しく後悔した。
「えっ、和賀さん?」
そこにいたのは、驚きでいっぱいの岩田さんと、あからさまに不快感をあらわにした神谷さんと川西さんのコンビ。
まーじーかー。
合コンって、社内対社内だったの?
それってただの飲み会って言わないの?
「あれ。知り合い? あ、同じ部署か」
永屋さんがにこやかな笑顔を向けると、一瞬で女子社員ふたりの顔が晴れ渡る。
おおすごい。イケメン効果ってやつ?
「同期なんです。……その、合コンなら私は帰ります」
「や、待って! せっかく来たんだもの。座って?」
逃げようとする私の腕をつかむのは、なぜか岩田さん。
え? なぜあなたが止めるの?
事情知ってるよね、私が逃げたいのわかるよね。
「でも岩田さん」
「お願い、座って。昼間本当にごめん。来てくれて嬉しいよ。一緒に話そう?」
岩田さんは私の腕にしがみつくようにして引っ張り、他の女の子たちの視線から逃れるように壁際の席を陣取った。代わりに生贄のようになったのは永屋さんで、手を引っ張られて、ふたりの女子社員の間に収まっている。
さすがエリート営業。モテモテだなぁ。
イケメンが来たからか、私には不快感があっても、彼女たちの機嫌はトータルでプラスに働いたらしい。
それには少しホッとして、息をついた。
……気まずいったらないですよ。
永屋さんに連れられて行った飲み屋。
その看板を見たときに、どこかで聞いた名前だなとは思ったの。
入って奥の小上がり席に案内されて、私は来たことを激しく後悔した。
「えっ、和賀さん?」
そこにいたのは、驚きでいっぱいの岩田さんと、あからさまに不快感をあらわにした神谷さんと川西さんのコンビ。
まーじーかー。
合コンって、社内対社内だったの?
それってただの飲み会って言わないの?
「あれ。知り合い? あ、同じ部署か」
永屋さんがにこやかな笑顔を向けると、一瞬で女子社員ふたりの顔が晴れ渡る。
おおすごい。イケメン効果ってやつ?
「同期なんです。……その、合コンなら私は帰ります」
「や、待って! せっかく来たんだもの。座って?」
逃げようとする私の腕をつかむのは、なぜか岩田さん。
え? なぜあなたが止めるの?
事情知ってるよね、私が逃げたいのわかるよね。
「でも岩田さん」
「お願い、座って。昼間本当にごめん。来てくれて嬉しいよ。一緒に話そう?」
岩田さんは私の腕にしがみつくようにして引っ張り、他の女の子たちの視線から逃れるように壁際の席を陣取った。代わりに生贄のようになったのは永屋さんで、手を引っ張られて、ふたりの女子社員の間に収まっている。
さすがエリート営業。モテモテだなぁ。
イケメンが来たからか、私には不快感があっても、彼女たちの機嫌はトータルでプラスに働いたらしい。
それには少しホッとして、息をついた。