コミュ障なんです!
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なぜかちょっと悲しくなりながらも、いつの間にか眠ってしまったらしい。
目を開けたとき、いつもと違う部屋なことにただただ驚いた。
これは夢か。呑気にこんなの見てたら遅刻しちゃうんじゃないの。
って違う、今日は土曜だわ。
途端に、昨晩からの一連の流れを思い出し、起き上がる。
衝立の向こうの布団には永屋さんが寝ているはずだ。
「……っ」
昨日は酔っぱらってもいたから、なんとなくこんな流れになっちゃったけど。
なにこれ。
素面になって思い返したらすっごい恥ずかしいんですけど!
とりあえず、ハンガーにかけておいたスーツを確認すると、何とか乾いている。
永屋さんが起きる前に着替えてしまおう。
途中で起きられても嫌なので、半分布団にもぐったまま、もぞもぞと着替えをする。
借りたジャージをたたんで、後は書置きでもして逃げ帰ろう。
だけど、ペンと紙はどうも永屋さんがいるほうのスペースにあるようだ。
それに、彼の声が頭の中によみがえる。
『俺、和賀さんの味噌汁飲みたい』
だからしつこく引き留められたんだったな。帰る前に作っておいてあげようか。
だとしたら買い物行かなきゃ。
カバンを持って、おこさないようにとそろそろ部屋を出ようとした瞬間、バタバタと駆け寄ってくる音がした。