誰にも言えない
職員用の下駄箱。
その前に立ったわたしは、息を整える。
はあ、はあ、はあ…
制服のポケットから出した手には、今どきラブレターだ。
さんざん悩んで、昨日。
徹夜して書いた、ラブレター。
ドキドキしながら改めて見つめる。心臓が口から出るほど。
『ダンスパーティで高校生活最後の想い出に、一緒に踊って頂けないですか??』
それだけ書くのが精一杯だった。
先生―――!!!
胸にあて、祈る思いで下駄箱に仕舞った。
―――あんなことになるなんて。