あなたに出会えた奇跡
「え……」


「父さんはなにも言わなかったけど、栞の様子がいつもと違っていたからね。それも、悲しそうだった」


「それは……」


悠真が離れてしまうと思っていたから。なんて、言えるわけない。


そう思ったけど、悠真は私のその考えを呼んだように言葉を繋いだ。


「僕が栞から離れるとでも思った?」


「っ、」


「図星、か。ふぅ……」


悠真は呆れたように溜息をついて、また言葉を繋げた。


「栞はさ、僕がどれだけ栞のことが好きなのか、わかってないよね」


「え」


「付き合い始めたのはつい最近のことだけど、僕が何年栞に片思いしてたと思ってるの」


私は悠真の言っている言葉の意味がわからずに、首をかしげることしかできなかった。


「今だから言うけど、僕は栞に会った時から栞のことが好きだったよ。一目惚れだったんだ」


「ええっ!?」
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