好きを百万回。 〜Revenge at Boston〜
「ボストンくんだりまで来たことに敬意を表して奢ってやるよ」
頼んだ料理は半分も減っていない。
コイツと食事をしたって不味いだけだ。
矢口はもう目も合わさない。
「ああ、そうや。食べきれへんかったらアメリカは言えば持ち帰り容器をくれるぞ」
これがオレの最後の復讐。
「doggy bagくれって言うたらええ。ぴったりだな」
矢口の身体がピクリと動き、立ち去るオレの耳に嗚咽が聞こえてきたけれど完全に無視をしてレストランを後にした。
あんな女、もう二度と関わりたくないし今度こまりに何かしたら社会的に抹殺してやるーーー冷たい空気を胸いっぱいに吸い込みながら決心した。