そのままで。

あーちゃんはまだ幼稚園の年長さんくらいだったので、お母さんのあきちゃんと一緒に寝て

私と秀太は、秀太の部屋で寝ることになった。

一つの布団に一緒に潜ってこそこそ話す。

秘密の会議みたいな気分で全く寝られなかった。

「なぁ美月、明日はなにする!?探検に行くか!」

「でも明日はあーちゃんとお姫様ごっこするから…」

「そんなのほっておきゃいいんだよ!」

「だめだよ、約束したもん!」

あーちゃんと私のお姫様ごっこの設定は毎回

お姫様が悪者に連れて行かれて、それを王子様が助けに来てくれる。

という設定だった。

もちろんお姫様は私とあーちゃん。悪者は人形などで表現していた。

それを知っていた秀太は、布団からバサッっと立ち上がり、

足を肩幅より広げ

布団の上で座っている私に指を指し

「じゃあ、おれがお前の王子様だ!なってやる!そしたら悪者に連れて行かれないぞ?
だから明日はおれと一緒だ!明後日も、明々後日も!その次も、次の次も!」

秀太の顏は暗くてよく見えなかったが、言われた事の嬉しさは尋常じゃなかった。

「うん!じゃあ私は秀太のお姫様??」

「そ、そーだ…!」

「やったー!じゃぁずーっと一緒ね!」

「うん!約束だからな!」



二人は、眠りについた。
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