そのままで。

きっと、またすぐに。

目を閉じていても明るいと分かる。

“ここどこだろ。車かな。あれ、でもなんで車に…”

「美月起きたぁ?美月、りんちゃんとれいちゃんと一緒に登校するって言ってなかった?」

「あ!忘れてた…!」

「全く…。幼稚園からの友達は大切にしなきゃ駄目だよ?」

「うん!」

「ほらあそこ!りんちゃんとれいちゃん、歩いてるよ。いってらっしゃい。」

「りんりん!れいれい!あ、お母さんバイバイ!」

私はりんりんとれいれいの元へ駆け寄り、学校へ向かった。






「あの子達、どうなるのかな…」

その頃霧咲家ではあきちゃんと秀太のお父さんが話し合っていた。

「このままだと、きっとバラバラになるんじゃ…」

「どうして?」

「美月ちゃんのお父さんとお母さんが離婚すれば、親権が問われる。
せめて美月ちゃんと、美奈ちゃんは一緒になってほしいな。」

「そっか、そうだったね。美琴お姉ちゃんは…」

そう言いかけた時、

「お母さん!お父さん!おれ学校行ってくる!」

「あずさもいくー!」

ランドセルを背負った秀太とあーちゃんが階段から降りてきた。

「あ…!うん!気を付けてね。」

玄関の外から笑い声が聞こえる。


「うちも寂しくなるわね…。」

「あぁ。」
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