そのままで。
暫くするとお父さんが帰ってきて、
その時のお父さんの表情をみてゾッっとした。
眉をキュッと眉間に寄せ、
唇を噛み、
目力がすごい。
“お父さん怒ってる…。”
そう感じた私はなにも声をかけれなかった。
車に乗り込んでそのまま無言で車を走らせた。
向かったのは秀太の家だった。
「永井さん…。どうぞ、上がって?」
今日のあきちゃんはどこか悲しそう。
「おい美月!はやくあそぼーぜ!」
「あーちゃんは?」
「あいつならどっか友達の家に泊りに行ってるらしいぜ。」
「そーなんだ…。」
「なんだよ、あいつと遊びたいのかよ。」
「ちがうよ、そういう事じゃなくてね…」
「そーだろ?だってお前、今日変な顔してるし。それっておれに会うからか?」
「え…そんな変な顏してるの?」
「うん。なんていうか、寂しそうっていうか、悲しそうっていうか。」
「違うよ、秀太じゃないよ。」
「ならいいや。おれじゃないんならそんな顔すんなよ。調子おかしくなる。」
「ご…ごめん。」
「なんでお前謝ってんだよ。」
「え…!あ、ごめん!」
「もういいよ、、、」
「……。」
お父さんとあきちゃんの話が終わった。
もう外に出なくちゃ…。
秀太と目が合った時、プイッと視線を逸らさせた。
今度会った時には機嫌もなおってるかな、
それだったら今度謝って、また一緒にゲームしよ。
また、、、今度、、、
その言葉は当たり前だった。
秀太とまた会えることが。
でもそれがいつまでつづくのか、
そんな事、考えたこともなかった…。
だって…いつもそばにいたから…。