ツンデレラ
やがてたどり着いた部屋でツンデレラが見た光景は異様な物でした。

2、30人の女が思い思いの格好（胴着やジャージやレスリング着など）で、ある者は床に倒れ、またある者は壁にもたれて皆一様に苦し気に顔を歪めていました。

部屋の中央では若い男が女の胸ぐらを掴んで、腕一本で女を吊り上げていました。

「ふん。コイツも戦意喪失か」

つまらなそうに男は言うと、たまたまツンデレラの居る方へ吊り上げていた女を投げ捨てました。

それでようやく二人の顔が見えてツンデレラは二度驚きました。男の方は王子様で投げ捨てられた方は叔母だったのです。

その時、自分の見ている光景が理解できず声も出ないでいるツンデレラの事に二人も気付きました。

「誰だ貴様は」

「ツンデレラ。なぜここに来てしまったの」

その叔母の声は今までに聞いた事のない悲しげな声でした。

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