天使とかくれんぼ




「まーーひろーーー!」




学校からの帰り道




夏から秋に変わりだし、日も段々と短くなってきた。



つい数日までギラギラと光る太陽の下を帰っていたのに、今ではもう真っ赤な夕日の中を帰っている。




その夕日に向かって歩いているわけだが




「まーーーひーーろーーーくんっ!」




…………残念なことに俺を呼ぶ声は聞き間違えではなかったようで。







俺のずっと後ろの方から誰かが大声で俺を呼んでいる





「なんだよ」




そう言って振り返ると、声の主がいるのはずっとずっと遠くで




この距離で、しかも逆光の中で、よく俺だってわかったなと少し感心してしまった






まぁ、おれもこんなにバカでかい声で俺を呼ぶヤツが誰かなんて顔をみなくてもわかる。






「うるせぇぞ茜」



「真尋が気付いてくれないからでしょ」





やっと話せる距離になったところで文句を言うと、反抗してきたこいつは、千田茜(チダ アカネ)




遠くから俺を大声で呼んだバカだ。











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