透き通る季節の中で
 いつの間にか、遠くの空がピンク色に染まっている。



「この坂道を上がれば、もっとよく見えそうですね」
「そうですね」

 山下くんは歩く速度を上げた。
 上り坂を一生懸命に歩いている。
 
 私は山下くんの背中を押しながら歩いた。
 


 坂道を上がっていくにつれて、眩い夕焼け空の面積が広がっていく。



「すごく綺麗ですね」
「はい。すごく綺麗です」
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